明日は相対的貧困層

 一人世帯の場合、年収122万円以下を相対的貧困層と呼ぶらしい。70歳になり仕事をやめたときの私は、ほぼこの相対的貧困層に該当することが予想される。でも大丈夫、一人世帯の高齢女性の52%が相対的貧困層なので、仲間はたくさんいる。

 まだ仕事のある今、収入は122万円よりは多い。だが、70歳以降の所得がおよそ122万円くらいにはなるように積み立てをしていることもあり、結局使える所得は同じようなものだ。

 健康保険料はこの収入に対してびっくりするくらい高いし、光熱費の倹約にも限度がある。電話やインターネットなしの生活は、やはり難しい。そうこう考えると食費や交際費、衣料費などに使えるお金は交通費を別にして月4万円くらいだ。これはなかなか厳しい。

 6月27日付「日経新聞」によると、自営業者やフリーターらが加入する国民年金の加入者は1471万人にのぼるという。40年間納めると月6万5008円の年金を受け取れる。とうてい暮らしていける額ではないが、それすら半分の人が払えないでいる。

 1986年までは加入者の8割の人が年金を納付していたという。1985年に労働者派遣法ができた。非正規雇用が増え、納付率が下がっていった。86年に非正規雇用で働くことになった22歳の若者は今56歳だ。その人たちが65歳になる10年後、日本の社会はどんな風景になっているのだろうか。